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それを解き明かすには
まず印刷の体質を話すとわかりやすいかと思います!
印刷業のモットーって何か知っていますか??
印刷と言えば「受注生産」。受注生産をしている職種全部に言えることですが..
「原稿(サンプル)を忠実に仕上げ納品する」
これが受注生産業の大モットーです!
今まで印刷屋が扱ってきたデータというものは、
ほとんどデザイナーが作ったものだけでした。
そのデータがどういうものかというと
『印刷機に回すためのルールを加味したデータ』
印刷のオンラインショップでよく記載されている
「完全版下データ」とはこのことなのです!
デザイナーは自分が作成したデザインに対して細部にわたりコダワリを
持っています。フォント選びはもちろん挿絵の位置など全てにおいて
計算し作成されています。
カラーの印刷物などは色の濃い薄いなどにも細かい指示が出されます。
そして少しでも忠実に再現されてないとやり直しを余儀なくされてしまいます..。
もしそれが印刷ルールに則ってデータに指示が出されていれば
当然ですが、印刷屋のミスをなってしまいます 。
そして刷り直しが出されると、印刷屋払いの刷り直しとなってしまいます。
そしてこの仕事は完全に赤字になってしまうのです・・。
なので印刷屋は入稿データに最新の注意を払います。
デザイナーの入稿データは絶対に修正しませんし、デザイナーも自分が入稿した
データーを印刷屋が手直しするなんて夢にも思っていません。
その刷り直しはどっちの責任???(支払い責務)印刷屋・デザイナーどちらの
ミスなのかは、その入稿データが全てとなるのです・・。
そして各印刷HPで記載されている料金表は
「完全版下データ」の価格なのです。
どういうことかというとデータをもらったら
すぐに印刷機にお回しますよ〜という意味なのです。
もっと詳しく書くとベルトコンベア式のように印刷機にかけるので
その分、手間が入りませんのでその値段で奉仕しますよ〜という意味です。
それが詳しくチェックしないといけなかったり修正しないといけないと
いうデータであれば「オペレーター」の費用が発生しますので
料金も変わってきますし、しかもお客さんのイメージと合わなくなってしまう
可能性が出てきますし、印刷屋にはあまり歓迎できない仕事となってしまいます..
そして、もし素人さんがルールを知らずにデータを入稿してきた時には
印刷屋からは危険な仕事と思うのです・・。こんなケースもあります。
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ある素人の発注者がデータを持って印刷屋を訪れました・・。
いつものごとく
印刷屋「すいませんが、このデータでは使えないんですけど・・」
お客様「どうしたら良いかわからないんで。そっちで手直してもらえません??」
印刷屋「いや、ちょっと困るんですけど・・」
お客様「ちょっとそれ、急いでるんでそっちで何とかしてくれないですか??」
印刷屋「はー、困りましたね・・。」
お客様「フォントとかも標準なものしか使ってないんですし、
そんなに細かいところまでは気にしてないので何とか協力してほしいですよ〜
せっかく訪ねてきたんですし・・」
印刷屋 「じゃあ、わかりました。こちらでできる範囲で手直しします」
お客様 「あー、良かった!お願いします!」
印刷屋「出力紙がないのは危険なんですが...。データはしっかりしたものなんですか?
あと多少の違いが出る場合もありますがよろしいですか??」
お客様「あー、気にしませんのでお願いします!とにかく急いでいるんで」
印刷屋「ではまた仕上がり次第、ご連絡差し上げますので・・」
数日後・・
お客様「ちょっとこの納品物、フォントの位置がずれてたり、太文字の
ところがなってなかったり、これはひどいんじゃないですか??」
印刷屋「いや直せる範囲で直させていただいたんですけど・・」
お客様「こんなんじゃ、困るんです!なんとかして下さい!」
印刷屋「と言われましてもこっちもお客様の要望に応えようとしただけなんですから..」
お客様「プロだったら言ってくれればいいじゃないですか!!」
印刷屋「ですから最初にお断りしたじゃないですか・・」
お客様「せっかくの印刷物が台無し・・こちらも困るんです!
やり直ししていただかないと代金は支払い出来ないです!」
印刷屋「えー、それは困ります!こちらも急いでお客様のことを思って
がんばらしていただいたのですから・・」
こんなトラブルが実際に起こり、お互い嫌な気持ちで終わってしまいます・・。
なぜこんなことが起こるのでしょう??
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